尖圭コンジローマの治療
尖圭コンジローマは、亀頭・陰茎・外陰部・肛門周囲などの陰部に多発するイボでヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の感染によって発症します。潜伏期間は約3週間~8ヶ月とされています。自然治癒することもありますが、数年以上経ってから再発することもあり、ウイルス自体は完全に排除できないとも言われています。
陰部に症状のないイボができ、次々と増数・増殖していきます。放置するとカリフラワー状とも称されるほど巨大なイボを形成することもあります。
治療は薬剤治療と手術治療になります。一長一短あり、どちらが良いと一概には言えませんが、数が多い場合はまずは手術を行うことをおすすめします。手術をしても再発することも多いのですが、その後薬剤治療を選択した場合、イボの数が減っているので治療がやりやすいためです。
3ヶ月以内に約30%の方が再発される為、根気強く治療を続ける必要があります。
治療法
薬物治療
■ベセルナクリーム外用
免疫賦活作用のあるイミキモドを主成分とするクリームです。週に3回に最大で16週間まで使用します。当院でこの治療が受けられます。保険適応となります。
- 副作用・合併症として塗った部位およびその周辺に症状が強い皮膚の赤み、ただれ、潰瘍、表皮のはがれなどがあらわれやすくなるので、指示された使用方法・使用量を守ってください。
- 治癒の過程で塗った部位およびその周辺の皮膚の赤み、ただれ、表皮のはがれ、腫れなどがあらわれることがあります。
- 寒気、発熱、筋肉痛などのインフルエンザのような症状があらわれることがあります。
■ポドフィリン液(コンディリン外用)
毒性の強い樹液を精製した薬剤で組織腐食作用があります。当院でこの治療が受けられます。保険適応外(自費)で薬剤代が〇〇〇円かかります。
- 副作用・合併症として塗布後、患部に炎症や刺激、痛みを感じ潰瘍のようになり乾燥していきます。その後、表皮が脱落し下から新しい皮膚が現れます。
- また、肌が非常に敏感な人の場合、稀に異常な痛みを感じたり、赤くはれ上がり炎症を起こす場合があります。
■5FU軟膏・ブレオマイシン軟膏
抗癌剤の軟膏でDNA合成阻害作用があります。当院でこの治療が受けられます。
- 主な副作用として、疼痛、色素沈着、発赤、局所の出血傾向などがあります。
手術治療
■液体窒素療法
マイナス193度の液体窒素を病変部にあて凍結・融解を繰り返すことによって組織を破壊する治療です。週に1度のペースで治療します。当院でこの治療が受けられます。
- 副作用・合併症として痛みを伴う水疱ができる場合がありますが、1~2週間ほどで吸収されます。水膨れができた場合はご自身で潰さないように注意してください。
■電気メス手術
局所麻酔をした後、電気メスで病変部を切除します。1回の治療で一旦はなくなりますが再発も少なくありません。治療費は3割負担で 9,000~15,000円位です。初診日に手術可能です。当院でこの治療が受けられます。
- 副作用・合併症として治療後に熱傷、糜爛、潰瘍、疼痛が生じることがあります。
■炭酸ガスレーザー蒸散手術
局所麻酔をした後、炭酸ガスレーザーで病変部を蒸散させます。1回の治療で一旦はなくなりますが再発も少なくありません。治療費は3割負担で9,000~15,000円位です。初診日に手術可能です。当院でこの治療が受けられます。
- 副作用・合併症として治療後に糜爛、潰瘍、疼痛のほか、赤みや色素沈着が数ヵ月続くことがあります。